新しい生活

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プレゼントを頼んでみるとお兄さんは悩み始めた。 やっぱりだめなのかな?服もプレゼントの一つだろうし……。 「あの……」 「ぬいぐるみでいいか?」 「え?」 「…いやか?」 「い、いいの?」 「かまわない。その代わりなくすなよ?」 「なくさない!」 ぬいぐるみを買ってくれるとは思わなかったけど、嬉しいな……えへへっ 「じゃ、買いに行くぞ。特注品のぬいぐるみがいいか」 「とくちゅう…ひん?」 なんかよくわかんないけど、どんなぬいぐるみが渡されるのかな? 「わぁぁっ!」 お兄さんが連れて来てくれた場所は歩いてすぐそこで、古びていていかにも怪しかったけど、いざ中を見てみると可愛いぬいぐるみや小物、アクセサリーがたくさんある。 もちろんかっこいいのもあるけど、僕は可愛いのが好きだもん! 「うさちゃんだ!」 「うさぎがそんなに好きか?」 「うん!くまちゃんも好きだけど、僕はうさぎが大好き!それにこれ、ふわふわしてて気持ちいいね」 「それにするか?」 「うん!」 「おい、これを買う。いくらだ?後、どんな仕掛けがある。」 「いいものを選びましたなぁ…。ぼうやに免じて、半額の20万にしましょう。そのぬいぐるみは発信器がついております。これがあればすぐわかりますのでどうぞ」 「別料金は?」 「セットでございます故に別料金は要りません。それと発信器を持つ方、ぬいぐるみの持ち主である方以外が触ると、その方のみがスタンガンに変わりのない電気が走り、気絶させるのも可能です。持ち主に被害はないのでご安心を…。そのぬいぐるみに触った時点で、すでに指紋などがインプットされましたので返品はできませんし、絶対に買ってもらいます。」 「かまわない。それだけの機能があるなら十分だ。ほら金だ」 「確かに…ありがとうございます。」 「大事にするね!」 このぬいぐるみよくわかんないけど、とてもすごいんだ…。 それに持ってると気持ちよくて寝てしまいそうだなぁ。 お兄さんのプレゼントだからずっと持ち歩こう…。 「お兄さん、ありがとね!」 「ああ」 素っ気ない返事だったけど、お兄さんの顔が少し赤かった気がした…気のせいかな? どちらにしろお兄さんからプレゼントを貰えたんだから喜ぶ他ない。 このぬいぐるみは一生の宝物だ!
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