第一章 夢

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KFの急速変型により、コックピットから景色をみるナチュラルモードから、KFの頭部のアイセンサーによるリモートモードに切り替わる。 頭部から送られる映像は直接脳に送られる。 その映像には、人型に変型したKF-EFS(ユーロファイターシリーズの略)ver30タイフーンが、その独特のカナード翼が、胴体に格納されたコックピットからはみ出しクルクルと縦回転していた。 双発エンジンの出力と機動性が恐ろしく高いタイフーンは、その変型したフォルムはイーグル以上の人気を集める理由が一瞬でわかるほど、スリムで格好良かった。 ムカつく程に。 「機銃!!」 一声叫ぶと武器選択がなされ機銃が反応する。と、同時に自動照準が働き、後は引き金をひくだけだ。 「俺の後ろに……、着くなぁぁぁあ!!!!!!!」 機銃が狂ったように吠え散らす。 今まで、俺は一度も、一度も負けたことが………。 気付いた時には、模擬弾のミサイルが命中していて、機体は自動操縦モードに切り替わって着地していた。 俺は負けたのだ。
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