119人が本棚に入れています
本棚に追加
「………で、なんであんたはそんなに強くなりたいの?」
目の前の赤髪ミニツイン少女、ニア=サーチェスは白い着物を着て、ジトー…っ、と値踏みするような眼で見てくる。
「強くないと、守りたい者を守れないからだ」
コトン。
庭園の水瓶の淵をたたく、竹の乾いた音が大きく聞こえた。
ここは第1航空基地の応接室。
洋式の造りも有るらしいが、俺を試すため、ニアがわざわざ正座しなければならない和式を選んだのだ。
こうなったのは、俺自身が言ったことだ。
着陸したイーグルはエンジン部の足だけを下ろし、不恰好な姿を晒していた。
コックピットのハッチを開き、下ろしたワイヤーを伝い降りた。
「無様だな。大学一番さん」
気付くと、正面にニアがいた。
メットを外し、彼女を直視する。
彼女は白い耐Gスーツを着ていて、そのぴったりとしたスーツに目のやり場に困る。
「強くなりたい」
「………ついてきな」
彼女はカツカツと一人歩きだした。
それに俺は着いていった。
最初のコメントを投稿しよう!