119人が本棚に入れています
本棚に追加
基地に入り、すぐにこの応接室に通されたが、少し待たされ、着物に着替えたニアが入ってきた。
もちろん俺は黒色の耐Gスーツを着たままだ。
正座で俺は座っていたが、彼女は正座せず、少し足をずらして座った。
自分より6下、つまり16才の少女に若干どぎまぎしてしまい、彼女を直視できなかった。
そしてやっと、現在に至る。
「危箱望ねぇ。名前負け。危箱って苗字もダメね。だって、『銀河』の艦長危箱光さんと同じ苗字だもんね」
「………『銀河』の艦長は俺の父だ」
「へー。やっぱり………え?」
カコン。
竹が水瓶の淵をたたく。
しばしの沈黙。
つまり、ムダな時間が流れる。
「………ど、どうでもいいや」
明らかに動揺しているが、彼女のプライドのため、俺は黙視することにする。
「とにかく、強くなりたい。どうか、俺を強くしてくれ!」
頭を下げる。
なぜ、こんなに勝ちたいと思ってる女に頭を下げるかって?
鍛えてもらってる間に、弱点がわかるかもしれないからに決まってるじゃないか。
最初のコメントを投稿しよう!