序章

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KFの機体を操り、空中で変型をしてからの姿勢制御は非常に難しい。 それは足の裏に当たる部分から吐き出される、水素ラムジェットエンジンから吐き出される熱風が機体をゆらゆらと揺らすからだ。 80年前初飛行し、60年前実用化されたKFシリーズは20年前より才能が超強化された。 2100年当時、宇宙に分け入り、水星、金星、火星、木星、土星、天王星までの探査を終え、火星には民間人の移民船団がたどり着き、新たな文明を築こうとしていた。 しかし、それは一瞬にして消え去ったのだ。 時は西暦2141年、太陽系に向け、1000を越える宇宙戦艦隊が押し寄せていることが高度識別レーダーにより判明したのだ。 時間にして約6307200000秒。 わかりやすい単位に直すと20年しか時間が残っていなかった。 人類はこの宇宙戦艦隊と敵対すること決め、20年が経過した。 生き残るか、死ぬか、二者択一の選択となり、地球は第三次世界大戦の勝利国である日本を中心にまとまり、急ピッチで宇宙戦艦・宇宙戦闘機の建造数を予定の5倍に増やした。 まさに宇宙戦争だ。 その生き残りの命運を担った、一人の男と少女の話である。 そして、話は男のとある朝から始まる。
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