第一章 夢

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夢を見たことあるか? そう昔の自分に問われた。 夢?いくらでもあるぜ。 そう答えると、昔の自分に笑われた。 今、夢を見ているか? 今の俺には、夢が、なかった。 「ぅ……、うわっ!」 悪夢を延々と見ていたみたいに……いや、あれは悪夢だ。 全身から汗が吹き出し、真冬だというのにパジャマからパンツまでぐっしょりと濡れていた。 寝汗が凄まじい。 夢の中まで、夢に囚われる。悪夢だ。 とにかく今日も学校、急いで着替えなくてはならない。 徒歩10分の位置に俺が通う航空大学がある。 国際連合防衛第1航空基地が隣接し、旧式戦闘機F-101ポイズンが滑走路脇に鎮座し、その滑走路は1000メートルはあるのに30メートルと使わずKF-15.ver36汎用イーグルが離陸した。 その滑走路を走り、NF-15.ver36汎用イーグルを操るのは俺だ。
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