第一章 夢

4/36
前へ
/242ページ
次へ
敵は1000を超える艦隊。 内いくつかは補給艦、工作艦、輸送艦としても、700隻以上が戦闘艦だ。 それに対し、国際連合防衛軍。すなわち地球は2000の戦闘艦が最前線で戦っている。 全長500メートルを超える旗艦『銀河』を筆頭に、300メートル超の戦闘航空母艦『ダイダロス』、233メートル級量産型重巡洋艦『霧島』、181メートル級量産型駆逐艦『隼』など、地球が誇る最強の艦ばかりだ。 と、まぁ、どんな艦がいてどういった能力かしかニュースでは出ない。 俺が知りたいのは前線の情報だ。 『銀河』の艦長、危箱光(キハコ ヒカル)は俺の父だからだ。 「望君!」 ふいに呼ばれ振り返る。 「チっ…。陽かよ」 そこには陽、危箱陽(キハコ ヒナタ)がいた。血縁上繋がりのない妹。父、光が養女とし迎え、10年が経つ同い年の妹だ。 ちなみに俺は危箱望(キハコ ノゾミ)。 夢を見失った飛行機乗り。 これでもNF-15.ver36汎用イーグルパイロットだ。 「望君!お昼食べよ?」 青いベンチシートには既に色とりどりの弁当が広がる。 艶やかな金髪が垂れ下がり、彼女は鬱陶しそうに掻き上げた。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加