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彼女は北欧系の血を引くらしいが、日本語が話せるので日本圏で育ったのは間違いない。
薄氷のような白い肌。
薄い唇は薄らと桃色に……。
しかし、そんな彼女の作った弁当(料理)は、本当は食べたくない。
陽の飯は破壊的に不味いからだ。
ある種の生物兵器並に……。
「ほら、食べて?」
上目遣い&困った微笑みに負け今日もこの不味い弁当を食らう。
「い、いただきます」
腹を括り、まず卵焼きを頂く、彼女の一番の得意料理で、ここ数年で飛躍的に上達した数少ないおかずなのだ。
箸でつまみ、口に放り込む。
次は里芋のにっころがし、爺臭いと言われる俺の好物だ。
「……どう?」
陽が問い掛ける。
「おいしいよ」
「やった!」
そして俺は黙々と残ったおかずを平らげる。
最後の一つを食べ終えた頃、始業の鐘が鳴った。
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