第一章 夢

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機体が安定し、すぐに索敵に入る。 全天候コクーンのコックピットにはレーダー画面や速度表示がなされ、レーダー画面に仮想敵機のビーコンが映らない。 カーボン装甲は音も光も吸収し、レーダーに引っ掛からない。 それどころか、レーザー系の光学兵器はよほどの出力がなければ歯が立たない。 そのステルスはやはり一級レベルである。 「……どこにいやがる」 俺はイライラして、マッハまで速度を上げる。 相手の排気熱しかもう索敵のしようがない。 『あたしの名前はニア=サーチェス。軍人だ』 突然、音声のみの通信が入る。 『速度を上げすぎると、排気熱が敏感に反応するよ』 気持ち悪い言い方に、第六感が反応した。 本能だ。 機体を急速変型させ、KF-15.ver36汎用イーグルは戦闘機から人型ロボットに変型する。 機体後部に設けられた双発エンジンが機体から離れ、機体を胴体下から支えホバリングする。 胴体は機体中央の部位がなり、細かく変型する。翼下からアームが伸び、腕が形成される。 水滴状の全天候コックピットは胴体に収まる。 右手に巨大な機銃を持ち、後方にかまえる。
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