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あたしの返事に満足したのか、それからまぁちゃんは蒸し暑いからとすぐに自分の家へと戻って行った。
あたしはと言えば、あまりの衝撃的な出来事にそこから動くことが出来ないでいたのだけれど……。
"あれ"は何だったんだろう?
部屋に戻ったあたしは机の上にアルバムを広げ、写真の中のムスッとしたまぁちゃんを見た。
まぁちゃんこと篠瀬 雅治は2つ上の幼なじみであり、あたしの親友"ちぃちゃん"のお兄ちゃん。
篠瀬家と中居家はあたし達が生まれる前からのお隣りさんで、ずっと家族ぐるみの付き合いをしている。
そのまぁちゃんがあたしに告白!?
有り得ない!
だけど数十分前に付き合えと言われ、半ば強制的にOKさせられた。
何処に?って聞いたら怒られたし、やっぱり愛の告白だったのだろう。
だけど―――
どうしてあたしなの?
何かの罰ゲーム?
あたしがこう思うのは、ちゃんとした理由がある。
まぁちゃんは容姿端麗。
180㌢近くある身長に、大人びた顔立ち。
男の人なのに奥二重の目には長い睫毛。
1本1本が細くしなやかな、サラサラの茶色い髪の毛。
そして極めつけはスポーツ万能、成績優秀のモテモテ君なのだ。
あたしはそんなまぁちゃんに、釣り合う人間じゃない。
152㌢の身長に体重は60㌔。
生まれつき栗色の髪の毛は手入れもされてなく、無造作に肩まで伸びているだけ。
目だってパッチリお目々だけど睫毛は短いし薄いし。
スポーツは苦手だし、勉強も……、そんな平凡なコブタがまぁちゃんに釣り合うわけがない。
大体、なんでまぁちゃんはあたしに告白したの?
あたしのことが、好き?
まさか!!
天と地がひっくり返っても有り得ない!
そもそも、まぁちゃんがあたしを女として見てるなんて知らなかった。
だって、いつだって、まぁちゃんは―――
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