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その隣りに笑顔のまぁちゃんがいた。
そう、ファンの子達に見せる笑顔で―――
まぁちゃんは彼女にもちゃんと笑顔を見せれるんだね。
あたしには見せてくれないのに。
だけど、どうしてあたしには笑顔を見せてくれないの?
あたしが相手だから?
あたしが、幼なじみだったから?
まぁちゃんの態度の違いがあたしを苦しめる。
もしかして、あたしが……醜いから?
「栞?バス来たぞ」
「あ、うん」
まぁちゃんに言われて慌ててバスに乗り込む。
まぁちゃんに促され1番後ろの座席に着くと、隣りにまぁちゃんが座る。
あたしが何を考えてるかも知らずに。
もう考えるのは止めよう。
まぁちゃんが告白してくれたんだもん。
理由はどうあれ、あたしはそれを受けた。
じゃあ、まぁちゃんを信じなきゃ……。
あたしの中で何かが、少しずつ変わり始めていた。
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