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あたしはまぁちゃんとのやり取りを、時間を遡って思い出してみた。
生まれた時から兄妹のように育ち、お風呂だって一緒に入ってた。
幼稚園だって一緒に通ってたし、旅行にだって行ったことがある。
だけど―――
"栞、キューピーみたい!"
"おい!団子っ鼻!"
"早くしろよ、のろま"
"なんでそんな問題も
解けないの?"
うぅ……
思い出せば思い出す程、やっぱり信じられない。
厭味を言われたり、罵られたり……そういうことなら数え上げれる程思い出せるのに、まぁちゃんの愛を感じる出来事なんかこれっぽっちも思いつかない。
だとしたら―――
きっとこれは神様の与えてくれた試練なんだ。
なんでこんな試練をあたしに与えたのかはわからないけど、そう考えたら少しは救われるかな。
「試練……試練。そう、これは試練なんだ」
目を閉じて胸の前で手を握りしめ、祈るように呟く。
まぁちゃんは試練。
まぁちゃんは試練……。
無愛想なまぁちゃんを思い浮かべながら『頑張れ、あたし!負けるな、あたし!』……自分にエールを送り続けた。
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