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此れで良いのだ。
「よろしいのですか?」
……そうだ、
「良いのだ……もう、」
自分は、要らないのだから。
「ありがとう、もう此処等で良い。後は一人で行く」
「!?そんな、……御供します!」
「我々も御一緒します!!」
「気持ちは有り難い」
…………でも、
「お前達は“陛下の兵”なんだ」
自分とは違って、陛下にとっての“大切な部下”
「だから、お前達は戻れ。気付かれない様に」
そして、…………
「俺の事は、『知らない』と、取り調べられたら、『無理矢理、案内させられた』と言うのだぞ」
「!!!?……そんな、嫌です!」
「そうです!そんなのでは、反逆者になってしまいます!!」
「……良い、」
だって、…………
「私はもう、“裏切り者”なのだから」
“あの方”に、背いてしまったのだから。
「さぁ、戻れ。俺も行く」
振り向かない。悪いのは自分なのだから。
「────っ将軍!!」
つい、何時もの癖で振り返ってしまった。
其処には、
自分に敬礼する部下。
「有り難う御座いました!
────レオニール将軍!!」
こんなにも、思われていた何て、
涙が溢れた。
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