†序章†

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ただ、静かに歩く。 馬も“あの方”から賜った物。 剣も、盾も、鎧も、 “あの方”から頂いた物。 だから、全て置いて来た。 身に纏っている物も、生前父が着ていた礼服を繕った物。 今は亡き母のネックレスを着けて向かう。 殺されるだろうか。 考えて、頭を振る。 直ぐには殺されないだろう。 仮に男だとしても、ルスランの人質なのだから。 何をされても絶対に耐えよう。 戦争になって足手まといなら、直ぐに死のう。 仰ぎ見た空は月がなく、星も少ない。 星すらも、自分を見放したのか。 いや、 全てわるいのは、自分だ。 .
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