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もう思い出に刻まれない時間(とき)が
二人の距離を引き裂くように過ぎていく
「行かないで」
裾をつかむ私を振り返ることなく
「ごめんね」
一言静かにそう言う気配もない
一緒に見た空 流れる雲を指差し
他愛もない話と夢を語り合ったね
真剣なあなたの瞳を信じたかったの
思い出のつまった宝箱は
どこかに埋めてきたはずなのに
気付けばいつも掘り返している
「行かないで」
こんな恥ずかしい台詞も今は言える
「ごめんね」
それだけで十分だから 何か言ってよ
いつか一つ屋根の下 子供の名前考え
笑いながら生きていけたらいいな、なんてね
あなたの全てが愛しくて守りたかったの
後悔は二人出会ってしまったこと
一生あなたを失うくらいなら
最初から知らないほうが良かったのに
あなたを思い出にしたくないから
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