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「うん」
少女の鋭い視線をやんわりと受け止めて、真夜はこくりと頷く。
一度目線を落としてからばたつかせていた足を組んで、下げた目線を再び戻す。
そうして真夜は、普段接してくる笑顔で言い放った。
「私、霊媒師なの」
少女は密かに思う。
きっと言った本人は分からないのだろう。
この発言が実はダイナマイト並の威力があるってことを。
†
少女の名前は神原未宇(かんばら みう)
この春休みを終えると中学二年生となる。
中学生になったことで公私の幅がぐんと広がり、交友関係も一気に増えて未宇は多くの仲間と友情を手に入れた。
そのひとりが真夜である。真夜とは委員会で知り合い意気投合したのだ。
綾乃とは小学生からの付き合いであり、そんな彼女のクラスメイトであり真夜の幼なじみである恭一とも親しくなった。
本当にこの三人は、未宇にとって大切な友人なのだ。
だからこそ。
そんな友人からのファンタジー全開の告白に対して、未宇は言葉を失ってしまったのだ。
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