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「はむっ!はむっ!ぱくぱく!」
朝食を凄い勢いでかき込む少女。
余程空腹だったのだろうか。
卵焼きと味噌汁は最初に手をつけ、あっと言う間に平らげてしまった。
細身だがビーストの中でも食べる方のバンよりも、数段速いペースだった。
彼女は、もふもふと湯気を上げる白米を一気にかき込むと、恐ろしく幸せな笑顔になった。空腹に食べる飯が最高なのは、彼も少なからず同意した。
「お…おかわり!」
これで5杯目だ。
バンは、少女が笑顔で差し出してきた標準よりも大きな茶碗を受け取ると、炊飯器から山盛りの白米をついでやり、少女に渡した。
彼女は受け取るや否や、箸を器用に扱い、口に白米をかき込み始めた。
「よく食うな…」
正直な感想が、思わず口から漏れた。
だが悪い気分ではない。自分の料理をこんなに嬉しそうに食べてもらえるのは。
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