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「ごっそさん!またな兄ちゃん!」
「明日はもっと飲むぞ!覚悟してろよなー!」
バンは、ご機嫌たっぷりで帰って行く親父達に笑顔で手を振り見送ると、うーんと背伸びをしてから店の片付けを始めた。
食器を一枚一枚丁寧に洗い、机を丹念に拭く。店を綺麗に保つ事を、彼はいつも忘れないのだ。お客様に気持ち良く食事をしてもらう事が彼にとっての喜びだ。
気が付けば時計は既に遅い時間を示していた。ラッピーを模した時計の仕掛けが、下手糞な歌を唄い上げる。バンは流しの掃除を終えると、店の戸を閉めるべく厨房を出た。
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