クラス分け 新田

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こんなにもイラつく入学式は初めてだった… 思い出すだけで頭の血管に大きな負担を生んだ… 『ハゲなりにするな…』 クッ… ハゲてないのにあの生徒の言葉を気にしてしまうでないか… 私は薄いだけなのだ… そうだろ? 新田 直海はただ人より髪が薄いだけなのだ だから気にする事はないのだ新田直海… と私は私に言い聞かせた… そう…私はハゲではない これは…最先端のブームに乗る新手の髪型なのだ!! そんな事ばかり頭にいって新入生担任会議の内容が全く入らなかった… まぁ…だいたいは配布された資料プリントに書いてあるから大丈夫だろう… こうして会議を終えて… 私が担当する1年2組に足を運んだ… 1年2組のクラス前の扉に立って… 私が担当する生徒達の顔を想像してみる私… さぁ行こう… これから新田直海の新たな担任生活が始まるのだ!! 扉を開くと… 私の目に広がったモノは… 黒板に大きく描かれた見覚えのある顔とソレを描く少年が目についた… 少年は「おはようございます新田先生。先ほどは失礼しました」とペコリと一礼をした 「何を…  してるんだね      君は…」 その少年に対する怒りの感情が込み上げてくる… 最初から怒るマネなどは… 担任生活の中で一度もなかった… でも今日でその記録も終わるであろう… なんんだって黒板に描かれているのは… 私の顔 描いてる少年は… 朝に注意をした男子生徒なのだからね… 「君は…   何を…    やっているのだ」 そう怒りを圧し殺しながら問いかけると… 「新田先生を描いてみただけですよ…だってクラスの皆にど・ん・な担任なのか教えなきゃいけないじゃないですか」 そう少年はキレイにまとめているが… どうみても悪意100%で構成されていた… 「とりあえず…   ソレを…    消しなさい…」 そうすると… 男子生徒は素直に黒板に描かれた絵を消し始めた… ただ… 彼は私の似顔絵の頭頂部から消していたのことは… 一生忘れないだろう…
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