5月

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眠れなかった  昨日はいろいろ有り過ぎて  朝早くから、キッチンに立ち、朝食の準備を始めた  何かしてないと落ち着かない  お鍋からは、美味しそうなお味噌汁の香りがたつ  味見をして、丁度な味と確認  ダイニングテーブルに食器を並べ、すぐにでも食べられるようにセッティングした  リビングの開け放たれたガラス戸からは朝日が入り込み、春の心地よい風が入って来る  「ふぁ~眠ぃ…」 目を擦り、パジャマのままで下りて来た朝君  「お、おはよう!」 昨日のことはなかったかのように振る舞って挨拶した  「ん…あぁ~おはよう………」 ちょっとムスッとした顔の朝君  「ん?旨そうな匂い…」 「あっ、朝ごはんあるよ!!」 「おぅ♪食べる!」 「じゃあ先に顔洗って来て!」 「ん~わかった♪」 ちょっとご機嫌になった朝君  リビングを出る前に  「朝飯食ったら、俺部活行くからな?」 背中を見せて言う  「う、うん!そっか…頑張ってね!!」 「おぅ!」 出て行った  朝君が戻って来るまでの間、調理に使った道具を洗っていた  「おはよう…」 「うわっ!?びっくりした夕君…お、おはよう!ごめんね。水音で聞こえてなかったから…」 「いいよ…それにしても美味しそうだね?」 ダイニングテーブルの上のおかずを見て少し微笑んだ夕君  「すぐ食べれるから♪」 「じゃあ…顔洗って来る…」 「うん♪」 リビングを出て行こうとした夕君 そのタイミングにかち合うように朝君が戻って来た  「「あ…」」  「「……」」  廊下との境目で無言が発生  出口を一歩も譲らない二人  「何してるの?」 瑞穂の一言で、二人は、お互いがどっちに動けばぶつからないかをわかっていたかのようにスルリとすれ違った  静かな朝食  黙々と食べる夕君  掻き込むように食べる朝君  ちょっと居たたまれない…  何分もしないうちにテーブルを立つ朝君が  「じゃあ部活行ってくるわ!」 「い、行ってらっしゃい…」 「……」 夕君は無言で…  「ミィ…」 「ん?何?朝君」 「何時まで居る?」 「えっ?……なんで?」 .
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