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「いや…部活から帰って来ても居てくれんのかなって…」
頭をポリポリ掻きながら言う朝君
「うーん、多分お昼頃には…」
「帰るのか?」
「うん…着替えたいし」
「わかった…夕方にはまた来るだろ?」
「えっ…まぁそのつもりだけど…夕御飯あるし…」
「そっか、じゃあ行ってくるわ!!」
「うん…」
(なんでそんなに、いつ帰るか気になるんだろう…)
朝君が出て行ったあと、夕君と二人きり、向かい合って食べる
「………」
「………」
(何、話そう…)
箸をくわえて夕君を見つめた
「お昼まで…何する?」
俯き加減で食べていた夕君が突然話し出した
「えっ?な、何するって…」
「まだ時間あるから…」
ゆっくりと顔を上げた夕君と見つめ合った
「えっ…あっ…そ、そう!お洗濯しようと思って!!」
「そっか、じゃあ僕も手伝うよ♪」
柔らかく微笑む夕君
「うん♪ありがとう!」
私もお返しに微笑んだ
朝ごはんの片付けも終わり、夕君と二人で洗濯機の前で衣類を色分け
「瑞穂は、料理も洗濯も出来るんだね?」
「えっ?普通でしょ?」
「そんなことないよ♪すごいと思う」
「そうかなあ」
ちょっと照れた私
掴んでいた洗濯物を見て、目を見開く夕君
「ん?」
自分の手には、男物の下着があった
「あっ!!」
慌てて洗濯機の中にほうりこむ
二人して顔が赤くなった
なんか意識してしまい、無言で他の物も入れる
何枚か、その後も下着が出てきて、熱くなった
スイッチを押し、ドラムが回る
静かに見ていた夕君が
「瑞穂と結婚したら、こうやって…毎日洗濯してもらえるんだね…」
「えっ!?け、結婚!!」
「うん…結婚…」
「もう!やめてよ!!夕君てば…」
漢字二文字のフレーズにめちゃくちゃ照れた
そんな私を見て、クスクス笑う夕君の背中を押し、その場を出た
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