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学校までの途中、家に夕弥とミィが二人きりで居ることが気になる
もし、二人きりになって…俺の居ないところで…
「あぁ!!部活どころじゃねぇよ!!」
道行く人を気にもせず叫んでいた
「部活どころじゃないとは聞き捨てならないな!」
「えっ?」
声の方に振り向いたら、同じサッカー部のメンバーだった
瑞穂が庭で洗濯物を干している
ちょっと高めの物干し竿に背伸びしてかける姿が可愛い
少し後ろから眺めて笑った
「夕君~手伝ってくれるんじゃないの?」
背伸びしたまま、甘えた声を出す
「わかったよ♪」
瑞穂の隣に僕は立った
「高いところは僕がやるから…」
「うん♪お願いします!」
ニッコリ笑った瑞穂の笑顔が春の日射しに輝いた
(瑞穂と結婚したら…こんな毎日になるんだろうな…)
今の状況が嬉しくて、頬が綻ぶ
二人で仲良く干した洗濯物は、あっという間に無くなり、する事がなくなった
「終わったね♪お疲れさま」
「瑞穂の方がお疲れさまだよ」
「慣れないことした夕君の方がお疲れだと思うけど?」
「じゃあ二人ともお疲れってことで、コーヒー煎れようか?」
「あっ……」
少し瑞穂の顔が曇った
「どうかしたの?」
「えっ…と…一旦家に戻ろうかなって…」
「あぁ…そんなこと言ってたね…」
「うん…」
「……いいよ。行っておいで…」
「ありがとう…えっと…5時には戻って来るね!」
「5時か…だいぶあるね…」
「もっと早く来た方がいい?お腹すいちゃう?」
「いや…そうじゃなくて…寂しいなって…」
「さ、寂しい!?」
僕の甘えに瑞穂がびっくりした顔をした
「また、からかって!!」
「また?僕がいつ…からかった?」
「えっ…そ、その………昨日……」
「昨日………あぁ………からかってあんなことしないよ…」
「えっ?それって…」
「からかって…キスしたりしない……」
瑞穂の顔がみるみる赤く上気しだす
「そ、そ、それって…」
口元を両手で覆い隠す瑞穂に…僕は…素直に言葉にした
「瑞穂が好きだからしたんだ…」
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