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……沈黙が続いた。
男は黙ったまま静かに俺を見つめている。
……怒らせてしまったのだろうか。
……悲しませてしまったのだろうか。
男の深い泉の様な瞳からは……何も読めない。
男はただ真っ直ぐに俺を見つめ続ける。
重い空気に耐えられなくなり、口を開こうとしたその時……先に男が口を開いた。
「私の相手などは退屈でしょうが、ロイ様さえよければいつまででもここに居てもいいのですよ?でも……忘れないで下さい。ロイ様はこの世界の勇者です。この世界の全ての者が、貴方の力を必要としている事を」
男はそう言うといつもの明るい笑顔になり、朝食の支度を続けるために台所へと戻って行った。
その男の後ろ姿を見つめたまま、そっと目を閉じる。
男の言葉に救われ、でも少しだけ……苦しくなった。
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