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「この俺が相手だ!!」
そう言って右手の中指を空に向かって突き立てると、壁に立てかけてあった鍬を構える。
それと同時に魔物が長い尾をこちらに向けて振り下ろした。
「……うぉ!?」
後ろに跳びその攻撃をギリギリ避けると、全力疾走で魔物に向かって走る。
魔物は敵を仕留めそこなった事に苛立つ様に、裂けた口からチロチロと先の割れた長い舌を覗かせた。
勢いよく跳び上がると、そのままの勢いで鍬を魔物の額に向けて振り下ろす。
魔物の額に鍬がヒットしたその瞬間、渾身の力を込めたせいで鍬の柄が折れてしまった。
《ギャアアアア!!!》
しかし俺の繰り出した渾身の一撃に魔物が怯む。
図々しく頭に乗ったままの俺を振り落とす様に、魔物は叫びながら頭をブンブンと振り続ける。
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