序章

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世界には二つの力があり、二つの理がある。 ひとつは、魔力。 ひとつは、森力。 魔力・・・人が潜在的に持つといわれる力。 森力・・・森と契約を結び与えられる力。 森は世界を支える力を持つ。 太古、世界が混濁していた時代。 神族と魔族の争いに人の世界は戦場と化していた。 ある者は神を讃え、 ある者は悪魔を崇め、 人はただ二つの種族に振り回されるのみ。 混乱の世、一人の少女が神木に祈りをささげた。 「平和が訪れるように」と。 すると、木が少女に語りかける。 『平和とは何を指す』 「人が穏やかに暮らせるように…」 『我に日々祈りを捧げるそなたに応えよう』  神木がそう答えると幹から光があふれ世界全体が照らしだされる。 そして、光が消える頃には神族、魔族の姿は世界から消え去った。 『二つの種族が争いの元、これからは人が世界を統治せよ』 「私たちの世界…」 『神族と魔族は他世界に別々に封印した』 そして、神木は言葉を続ける。 『封印を解けるのは人のみ、我力を受けし者が強き思いを発した時』 少女は森の巫女とよばれ、崇めたたえられる存在となった。 その後、長き時を経ても封印は解かれる事はなく、世界は人同士の争いを続けていた。 しかし、今世界は人同士で二分化しようとしている。 一つの国が魔力のみを用いて近隣諸国を征服していった。 導きたるは一人の魔術師。 強き魔力を用いて国に勝利をもたらしていく。 魔術師は森の敵を呼ばれる事になる。 森力の力を用いる国、魔力もって攻め入る国。 世界はまた、戦乱に陥ろうとしていた。
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