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だからこそ私は頑張れる。
頑張る理由が出来たのだから。
私にとって〝おにぃちゃん〟の昔日の約束と〝お義母様〟のその素敵で無敵でパーペキな御言葉は今現在の私───風月 深依の心内に今尚、健在している。
だからこそ私にとってみれば強さというのは〝負けない〟事と他ならないのである。
父さんに自ら志願して鍛えてもらったこの強さを私は手放したくない。
手放せば私はまた弱かった風月 深依と成ってしまう。
それではお義母様の期待を裏切る事になるし、おにぃちゃんの約束と違えてしまう。 だからこそ私は強さにトコトン拘る。 私に出来る事があれば何でも請け負う。 だからこそ私はこの学園。 つまりは草琉学園の風紀委員長を三年間勤め上げたし、近隣にある不良校、通称『無掟校』の不良どもを蹴散らしてきた。
私はどこまでもトコトン強さに拘るであろう。 いつかおにぃちゃんと肩を並べる為に。 約束を果たす為に。
「まぁ、そんな強さに拘るミィちゃんに惚れる同性も数多く存在してしまうってのも問題だよねぇ~」
とりあえず宿敵というか現在のターゲットが口を挿み出す。 良し、潰そう。 それが私の目的なのだから。
「怖ッ!? いきなり殺気をだだ洩れにしながら正拳突きを放つとか何ッ!? どういうことッ!? 桃さん、あんまりな出来事にショックを受けましたッ!!」
チッ、器用に躱しやがった。 当たれば黙らせられたのに。
「やがったって何!? やがったって!
桃さんミィちゃんをそんな風に育てた記憶はありませんッ!!」
次、黙らなかったら本気で正拳を放とう。
「はい、桃さん黙りましたッ!!
よってミィちゃんの鍛え上げられた正拳を受ける権利は剥奪されました!」
挙手をしながら未だに喋り続ける桃。
良し、次は、
「のぅあッ!? 次は華麗なる蹴撃!? 何という美麗さ! 思わず見惚れちゃいました!!
てか黙っても次々と攻勢が止まない!
畜生、キレイだぜ、ミィちゃんのシルクのピンクパンツ!!」
「──────ッ!?」
思わずスカートに手を覆う。
次には、ギロリ、と桃を見る。 否、睨みつける。
「見たな」
「あ、いや、というか見せたのはミィちゃんであって、
のぶぁッ!?
怖ッ!! つか責任はミィちゃんにぃぃぃ!!!!」
躱す、避ける。
ええい、苛立たしい。 さっさと当たれッ!
「ヤベェ、これが俗に云う無我の境地かッ! 分かるぜ、ミィちゃんの攻撃ばぁ、
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