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どうしようもなく不安になってしまう。
私を覚えてるだろうか、と。
あの約束は覚えてるだろうか、と。
なにせ約束したのが、ウンと小さい頃である。 おにぃちゃんが覚えてなくてもしょうがないぐらいの月日が既に経ってしまっている。
勿論、覚えてくれていたら嬉しい。 でも逆に覚えてくれてなくても会えただけで私は満足してしまう。
しかし。
しかし、だ。 既におにぃちゃんにとって私がただの親戚となって、あまつさえ私のことを覚えてなかったとしたら私の意義が丸々となくなってしまうのだ。
それは流石に悲しい。
覚えてて欲しい。
約束を、ではない。
私を、である。
どうしようもなく不安になる。
「私的には大丈夫だと思うけどねぇ」
「無責任な言葉なんて要らないわよ。
それとも何か根拠でもあるの?」
「あるよ。 だってミィちゃんが選んだ人だもん。 それ以外に理由なんてあるの?」
「……………………………」
声に出来ない。
だって、
だって『まさにその通り』なのだから。
自分が好きな人を信じなくて誰が信じるのだろうか。
弱気になっていた。
何年もの間の月日が私を弱気にさせていた。
「うん、そうね。 他の人が信じなくても私は信じなくちゃね」
「そうそう、それでこそミィちゃんというモノですよ。
そのデッカい乳とロマンチック溢れるキュート脳内はミィちゃんにこそ相応しいモノですよ」
「そうね。 ヌイグルミを収集するのが趣味でいつか王子様が白馬に乗って迎えに来てくれると信じてるわ……………………て誰がメルヘンを夢見る中学生少女趣味乙女よ!! そして和むなッ!!」
「いやぁ、ミィちゃんってばノリツッコミも可能なんだねぇ。 まぁ、本場の人には劣るみたいだけど、良いよぉ、イイ人材だぜッ!!」
サムズアップする桃。 なんだってさっきまではイイこと言った一人の親友だったのに即座にボケキャラにシフトするのだろうか。
「というよりも桃の方はどうなの? 少しの進展はあったの?」
「………………………………………………うぅ」
なるほど。 理解した。
「その様子だと〝全く以て〟進展してないみたいね」
「だってしょうがないじゃんッ!! ていうか私悪くないッ! 攻めてるのにあの鉄壁を破る自信、私にはない!!」
まぁ、確かに安曇野君って鈍感というか自分で友人止まりにしてる節がある。
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