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だんだんとイライラしてきたのか語気が荒くなっていく雑魚キャラの称号を5000GPあたりで買った葉尻くん。
そんなに叫ばないで頂きたい。 近くもないけど遠くもない距離で叫ばれたらいくら私でも耳が、キーン、とするから。
「ハァ。
それで今日のご用件は何でごさいましょうか。 これから卒業式の風紀委員の活動内容の確認作業をしなきゃならないんだけど。
そんな理由もありまして私は今現在、ヒマではありません。 回れ右してお帰り下さい。 傍迷惑です」
棒読みの敬語羅列。
自分でも分かってるけどなんでこうも私には面倒事しか舞い込んで来ないのだろうか。 あの友人だったりあの友人だったりあの友人だったり。
まぁあの友人の迷惑行動と迷惑思考を考えればこんなものなんて〝迷惑にすらならないのだろう〟。
私の前半棒読みと後半少量感情移流のセリフと共にキレ始めた短気は損気な方々。
毎回同じような挑発で毎回同じような反応をしてくれるこの人たちには個性というモノはないだろうか。 キー、とか言いながらバッタ面のヒーローにやられるショックな人たちの方がまだ個性があると思います。
腕を組む。 ほんの少しだけ胸が楽になる。
ハァ、胸が邪魔である。 肩は凝るし、同サイズの可愛いブラはないし、男子には変な目で見られるし。 全くもってイイことがないね、このムダに膨らんだ胸は。
感情に流されて突っ込んで来る不良さん御一行。
歓迎は是非ともしたくない。 というよりもしたい人間なんかいません。
一般常識上は。
溜め息が口から思わず洩れ出すが私のテンションはそんなんでは上がらない。 むしろ低迷気味である。 今の日本経済のごとく。
とはいえ私でも流石に乱れ打ちは喰らいたくないので〝そちら〟に〝切り替える〟。
右足を前へ。
左足を後ろへ。
右手を前へ。
左手をヘソへ。
重心を中央へ。
これが私の─────────言い方を変えるならば私の家系の基本的な構えである。
名は、
分家・風月流実践型武術〝禊ぎ〟
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