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パンパン、と両手を叩きながら手や制服に付着した埃と軽い汚れを払う。
所要時間にすれば二十分程度。
今回は数が多かったから思ったよりも時間が掛かってしまった。 ハァ、時間がムダになってしまった。
えーと、これから卒業式の風紀委員の動きと流れの確認と〝あのバカ〟の対策やらがあるから早急に行かなくては。
地面に寝ている人たち?
知らない。 放って置けばその内帰るし。
グラウンドに気絶したり悶絶したりしてる馬鹿共を一瞥し、校舎へと歩く。
なんか校舎内から悲鳴とは違う何かが聞こえてるがこの際無視しよう。
■
「いやぁ、大変だったね。 ミィちゃん」
生徒会室に入ると私にそんな労いの言葉が掛かってきた。
きたのはイイ。 きたのはイイが掛けてきた〝人物〟がオカしい。
「なぜココにいる、バカ。 なに。 自ら卒業式で騒動は起こしませんって出頭してきたワケ?」
目の前の今までの主犯にして単独犯を怜悧な目で見下す。
「そんなワケないじゃないですか。 ミィちゃん。 そんなムダな観測的希望は捨てた方がイイですヨ?」
そんなこと百も承知である。 というか本人がムダとか言うな。
「じゃあ何しに来たワケ。 三年四組、出席番号十三番、早乙女 嵐子」
「いやん。 嵐子って呼ばないで嵐って呼んで最近バストが92㎝までなって可愛いブラが着けられなくなって隣町の大手の下着屋に行ってまで可愛いブラを着けようとしてる努力家のバストサイズEちゃん」
……………………………………………………………………………………………………なぜ知ってるコイツ。
「ほらほら〝親友〟が来たんですから熱いお茶ぐらい出さないと風紀委員長としての品位が疑われてしまっちゃうぞ」
誰かこのバカを叩き出す許可を下さい。 そうしたら情け容赦なく叩き出します。
「あと言っておくけど私にとって〝親友〟は白だけ。 アンタは違う。 断じて違う」
こんなのが〝親友〟なんておぞましいです。 精神が疾患します。
「ヒドッ!? あんなに熱い夜を過ごした仲なのにッ!」
「言い方が悪いッ! そんなんじゃあ私がまるで女の子にしか興味がないって聞こえるッ!」
違うッ! 私が好きなのは〝おにぃちゃん〟だけである!
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