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「だって遊ぼうって言われても外では遊べないしか返せないんだよ? おまけに学校を休むことも多いいし。そんな子とは普通誰も遊ばないって。」
僕が友達ができないってどういうこと,と聞くと風香はそう返した。
『友達ができない』
僕はそんなこといままで一度も考えたことがなかった。だってほとんど知らない人たちばっかりなクラスでもひと月もすればよく話す人とかは嫌でも出てくるし,そうなれば昼休みや休日に遊ぶ友達も自然とできる。
そう,友達は僕にとっては『できて当たり前なもの』だった。
だから風香が話したことは僕にとってはものすごい衝撃的なものだった。
「じゃあ・・,僕が今日から風香の友達だ」
思わず僕はそう言っていた。話を聞いて風香がかわいそうだからとかじゃない。同情なんかじゃない。
純粋に風香と友達になりたいから僕はそう言ったんだ。
今思うと風香に会ったときからどこか・・このどこにでもいそうで,どこにでもいないこの子に僕は惹かれていたのかもしれない。
「ほんと・・・・?」
「うん」
この時風香は今日一番の笑顔を見せた。
静まれ僕の鼓動。顔が赤くなってないか心配だった。
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