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僕は電車に揺れれながら窓の外の風景を見ていた。変わらない。この町はあのころのままだった。
電車が目的の駅に着いたので僕は荷物を持ち列車から降りた。
そして大きく息を吸いゆっくりと息を吐く。
駅から出て長い一本道を歩く。両側には田んぼが続き,民家がちらほら。あの家に住んでいたおばあさんは元気だろうか。
この街に帰ってくるのは10年ぶりだ。あまりの町の変わらなさにタイムスリップしたかのような錯覚をしてしまう。
それにしても今日は暑い。セミの鳴き声も聞こえ暑さに拍車をかけている。
『海君』
ふと風が吹いた。なんとなく自分の名前を呼ばれた気がした。空耳だとは思うがなんとなく懐かしい気分になる。
「風香・・・・」
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