1章

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「ごめんなさい。海斗も悪かったわね。学校今日一学期の終業式だったから友達と会えないまま夏休み迎えさせちゃって」 溜息が思わず出た。自分ことは置いといてすぐ人の心配をする。これも母さんの悪い癖の一つだ。 「僕のことはいいから自分の心配をしてくれ。母さんになにかあったほうが僕は困る」 それにと付け加えた。 「べつに夏休みと言っても部活で友達には会えるし,遊ぶ約束もしてるから全く問題はないよ」 そう僕が言ったのを聞いて母さんは父さんのほうを見て笑った。 「息子に説教されちゃった」 「俺からみれば幸のほうが子供に見える」 父さんはそう言って笑い,母さんはえぇと言って頬を膨らませて怒ったような表情を見せた。 確かに・・・・子供だ。
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