愛するきみへ

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息子は保育園に通うようになった。 旦那の仕事が夜遅くて毎日朝早くから夜遅くまで保育園にいた。 6時には他の子は親が迎えにきて息子は毎日一人だった。 画用紙に何度もわたしの顔を描いていた。 わたしは抱きしめたくても抱きしめられないもどかしさに何度も泣いた。 旦那が閉園間際に急いで迎えに行くと泣いて旦那に抱き着いた。 ある日「なんでママいないの?」と友達に言われていた。 息子は半ベソで 「僕の中にいるってパパが言ってたからいるよ。」 と答えていた。 四歳になると赤ちゃんの面倒もみれるくらいに成長し、保母さんたちを助けるようになった。 五歳になると竹馬がクラスで1番早くできた。 平仮名もカタカナも読めるようになった。 わたしは毎日、息子の様子を見ていた。 老人はそんなわたしを黙って見守っていた。
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