プロローグ

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「もっとも 重要なことは 生きていることではない 生きていく中にある」 だだっ広い真っ白な空間 あるのはドアと椅子だけ。 そこで、白い布を身体に雑に巻き付けた男は、 古ぼけた木製のロッキングチェアーに座りながらため息をついた後 言った。 その口調からは、表現の仕様のない苛立ちが滲み出ている。 「ここの星の生きものはまったく思慮に欠けているな。情けない。」 するといきなり空中に小さな球体が現れた。 よく見ると、地球のミニチュアのようにも見える。 だがそれは昔の青く綺麗な星とは言えなく、灰色の海が広がっていた。 それを横で静かに聞いていた、髪型をキッチリと七三に分け、分厚い黒ぶち眼鏡をかけスーツを着た、若く見える男は答えた。
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