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「英治今日もバイトー?」
「ちゃうけど」
「ふーん」
「なんで?」
「べつにー」
東京にきて1か月ちょっと。
お気にいりのお店が3つできた。
ひとつは大学の前のタピオカジュースが絶品のカフェ。
それから自分の家の近くのイタリアンのお店。
それから今英治とおるここ、アメリカンカフェ。
小さいけど壁とかに飾ってる小物とかがかわいいお店。
食後のミルクティーをストローで吸いながら。英治を観察…。
「なんなん?」
「べつに」
「さっきからめっちゃ見てるやん」
「英治かっこいいなーって思って見てるんやん?」
「きっしょ」
シラけた目をあたしに一瞬向けてからケータイをいじり出した英治。
あやしい…。
普通彼女に「きっしょ」って、あんな怖い目して言う!?
おかしい。
あやしい。
ズズー
「……」
(英治やっぱり浮気?)
カァアア!
「……」
(なんなん今日こいつ。何言うてんねん)
ズズズー
「……」
(バイトバイトってほんまにバイトしてんかな?)
カァァ
「……」
(めっちゃ視線感じる。なんなんや)
ズズズー
「……」
(どうしよ。ほんまはバイトじゃなくて)
「……」
(めっちゃ見てる!ほんまなに!?なんでそんなあつい視線送ってくんねん!)
ズズズー
「……!」
(他の女の子と遊んでんかな!?)
カァアアアアア!
「!?」
(ほんまオレになに求めてるん?あかん、やばいってその眼は、あか、あかん――)
ゴポゴポー!
「~~~!」
(浮気フラグ――!!)
「!?きっちゃないな!お前何してんねん!」
「ぎゃっ!」
思わずストロー噴いてたがな!
あたしのミルクティーがグラスの中で泡立ってた。
「はぁ。お前は子供か」
「……」
英治が呆れた顔で見てくる。
だって…。
「英治のあほ―!」
「はぁ!?」
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