880人が本棚に入れています
本棚に追加
「おまえまじなんやねん!」
ちっって英治が舌打ちした。
このおっさん、舌打ちする資格があんのか!?
この浮気もん――!!!
♪~♪~♪
「あ、電話や」
「マナーにしときぃや」
「うっさいなーもしもし?」
急に不機嫌なった英治。
なによ、それはあたしの方やで。
この浮気ものー!!
ジー
「……」
(浮気相手ちゃうやろうなぁ?)
「もしもし?なに?」
(また視線感じる;;)
英治があたしそっちのけで電話しだしたから、
あたしもケータイチェックした。
「……」
(あ、メール)
「は?いややって」
「……」
(愛衣菜ちゃんか)
「ムリ!嫌や!絶対いや!」
「……」
(あ、結局飲み会愛衣菜ちゃん行くんやー)
「前から嫌やって言うてー…、は?今日?無理。
なんでって、だって彼女とー」
「!」
「!」
“カノジョ”って言葉に反応したあたしと
英治と目があった。
英治は一瞬目を泳がせた後、
また電話の相手と話を再開。
あれ、
なんやろ。
さっきまで、むかついてたのに、
今あたしニヤニヤしてる。
単純。
えへへ。
彼女やってー。
うふふ。
「だからー無理やってー…は?いや、だから…
お前まじしつこいな。
ああ?わかったわ。
行けばええんやろ。
ああ、またメールして」
ん?
電話を切った英治が、
ため息をついてから、
あたしをじっと見て。
「……なに?」
「友達に呼ばれたから」
「…から?」
「今から行ってくるわ」
「はぁ―――!?」
最初のコメントを投稿しよう!