☆3☆

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その日は飲んだ。 我を忘れるぐらい飲んだ。 サラリーマンのおっちゃんが毎晩飲み歩く理由がちょっとわかった。 けど次の日、 気持ち悪くなって、 おっちゃんの二日酔いの辛さもわかってしまった。 おえー。 あー気持ちわる。 頭グワングワンしても、 吐き気もんもんしてても、 学生の本分はお勉強。 痛い頭抱えて、 気持ち悪い胃押さえて登校。 「おっはよ☆リリィ」 「お”は”よ”~愛衣菜ちゃんなんでそんな爽やかなん?」 「あたしお酒強いもん☆」 「すごいな…あたしより飲んでなかったけ?」 「そういえばサキも潰れてたっけ…リリィ一緒に帰ったんじゃないの?」 「知らん。覚えてへん~」 愛衣菜ちゃんと講義の始まる前に教室でそんな話してたら、 「あ、着信かも。ケータイ震えてる」 「彼氏?」 「ワタシ、彼氏、イマセーン」 「は?」 愛衣菜ちゃんが顔をしかめてあたしを見た。 その顔に気付かないふりして、電話に出た。 『もしもしーリリィちゃん?』 「サキ?」 電話から漏れた声にそう聞いてきた愛衣菜ちゃんにうなずいた。 「どうしたん?てか『国際協力論』取ってなかった?授業始まるけど遅刻~?」 『は?何言うてん?今日約束したやん』 「え?約束?なんの?」 『ひっど!!それはないわ!ひどいってリリィちゃん!見損なったわ!』 電話の向こうで、身に覚えのない約束で文句を言われて。 頭痛いのと胃気持ち悪いのでイライラしてきたかも… なんでそこまで言われなあかんねん! 「んで!?今どこおんの?家?大学?」 『ほんまに覚えてないねんなー。S大の前やん』 「…へ?」 ポカンてなった。 そんなあたしの表情の変化に愛衣菜ちゃんも首を傾げた。 S大って言うたら… 『リリィちゃんが「英治が浮気してるかもしらんから大学乗り込んだるー」って言うて「一緒に来て」って言うからS大の前で待ってんのに! それを約束忘れてるって めっちゃひどない!?』 忘れてた―――――!!
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