☆3☆

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「おい!どうなってんねん!」 「英治、サキくんに会ったことあったけー?」 「なんでお前はそうのん気やねん!」 「英治こそ何怒ってんの?」 あたしと英治のやり取りに 「あはは!英治って彼女の前だとこうなるんだ」 って、ユージくん笑ってるし。 「ほら、オレ1回リリィちゃんの高校まで会いに行ったことあったやん?」 「え、ああ!あん時ね!あはは懐かしー」 「ほんま懐かしいなー」 って、サキくんと笑ってたら 「やから何でそうのん気やねんお前は!おかしいやろ!」 って英治まだ怒ってるし。 「何なん、こいつ、ストーカー?なんで東京おんねん。こわいわ」 「ちゃうよ!英治ひどい!あたしの友達にそんな言い方せんとってや!」 「友達ぃ~?」 確かに、サキくんとの出会いは合コンやった。 高校2年の夏、 英治が東京引っ越しするから、あたしには何も言わんと勝手に別れることを決めて、 英治と別れたあたしは英治を忘れるために合コンに行った。 そこで知り合ったのがサキくん。 サキくんとは気が合って、 出会いはまぁ合コンやけど、 今ではすごく良い友達。 ・・ 偶然にも予備校も志望大学も一緒で、頑張って一緒に受験を乗り越えた。 「……偶然、なぁ…」 英治がじ~っとサキくんを細い目で見た。 「そう、ほんま偶然でびっくりしたよな~」 サキくんはあたしに笑顔でそう言った後、 一瞬だけ英治にチラっと視線を移して、ニヤって笑った。 「!」 (こいつ…!) 「…」 (偶然で大好きな関西圏飛び出すわけないやろ)
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