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「てかさ、みんな呼んで親睦会しようよ」
ユージくんのいきなりの提案に、
英治が「はぁ?」っと思いっきり嫌な顔した。
「そこの梨々子ちゃんの友達も一緒にさ」
そうユージくんが言った言葉に、
あたしも英治もサキくんを見た。
「ケンジとかナナとかもずっと英治の彼女見たいって言ってたしさ」
「ぜっったい嫌や!」
「オレ梨々子ちゃんともっと仲良くなりたいし」
「ぜっったいアカン!!!」
英治が、もうほとんどキレかけの目でギッとあたしを睨んだ。
これは、断れって意味よな~;;
「えと、せっかくやけど――」
「親睦会賛成ー♪」
「「は!?」」
英治とあたし、まったく一緒の反応で。
それをさせた張本人はあっけらかんと笑ってユージくんに答えた。
「オレもリリィちゃんもこっち来たばっかやし、友達の輪増やせる良い機会やん。親睦会やろー」
「おお!さすが関西人!どっかの大阪人と違ってノリいいねぇ」
サキくんの答えにユージくんは機嫌をよくしたみたい。
「あのなぁ…」
対照的にどんどん機嫌悪くなる一方の英治…;;
そんな英治を
「後で機嫌直すん大変やな~」
って思って見てたら、チョンチョンと肩を指で叩かれた。
「リリィちゃん、これって、浮気調査に打ってつけやで」
「へ?」
「彼氏の友達何人か来るんやろ?
もしかしたらなんかわかるかもしらんやん」
「!」
せやった…!
あたしが英治の大学に来たのには理由が…
「おい、何コソコソしゃべって――」
「やりたい!」
「……は?」
「親睦会、あたしもやりたい」
「なっ」
あたしの返事にユージくんが指をパチンと鳴らした。
「やったね♪これで決まりだ」
「あかん、あかんで!」
「じゃあ英治は欠席すれば?
梨々子ちゃんとその友達は参加ってことでおっけいだよね?」
「「おっけいっす!」」
「なっ…」
「なんでやねん!!!!」
英治のツッコミが学内にこだました。
こうして英治だけ不参加の親睦会が開催されることになった。
「あほか!オレも行くわ!」
「あ、そうなん?」
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