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指を差された男子生徒は、おどおどしながらも、立ち上がる。
「え~、サム=リャードです。属性は【プリズム】で、趣味は読書です」
全部言い終わったところで、再び席に着く。
「はい、拍手」
リリアがそう言うと、何人かを除く生徒が拍手をした。
「じゃあ、どんどんいってもらおう!」
自己紹介は、着々と進んでいった。
席的に自己紹介が一番最後になるエンは、他の生徒が自己紹介をしている間、窓の外を眺めている。
まったく興味を示していない。興味を示そうが意味がないからだ。
エンが窓の外を眺めていると、突然教室内がざわざわし始めた。
気になって、視線を教室内に戻すと、
「ミナ=ウェアンです。属性は【ライト】と【アクア】で、趣味は、天体を見ることです」
そうやって、彼女がニッコリと微笑むと、クラス中が騒ぎ始める。
「やべー!超可愛い!!」「結婚して欲しいぃぃ!!」「ウェアンて……凄い貴族だよね?」「“十指”の一人だ。凄ーい!」
先程から一人変なのがいるが、男子からはその美しさのあまり騒がれ、女子は憧れの的として騒がれている。
腰まである長いストレートの金髪は、遠くから見ても輝いて見える。くりくりと大きい金色の目、絶妙な形と高さの鼻、透き通るような肌。
あまりの美しさに、エンも少し見惚れてしまう。
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