チョマ

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チョマは生まれて1ヶ月ほどの、子猫だ。母親を亡くして、すぐの頃、あたしと出会った。 チョマは、片時も、あたしのそばを、離れようとしない。 すぐに眠りにおちてしまうあたしは、チョマにとって、ひとでなく、同じもの。と、感じられたのかもしれない。 あたしのからだの傷は次第に治りつつあった。けれど、あたしは、自分を動かす、なにかにかけてしまった。 あたしは、ひとの好意に甘えるほか、なかった。 チョマはフジムラさんの猫だ。あたしは、すっかり、気力を、あるいは魂が抜け落ちたみたいだ。 退院の日、フジムラさんは、まるで家族のように、果物屋のトラックで、迎えにきた。 その車に、うながされるままに、あたしは乗り込んだ。 ぼんやりとした、ほの明るい日差しが差す午後だった。しばらく走ると、一軒の店についた。
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