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あれからどうしたんだっけ?
いろいろあって、いろいろは、あたしにとっては、初めてのことばかりで、多分、あたしは社会に出て、初めて、自分が要領の悪い、いわゆる、どんくさい人間だって、気がついたんだね。
それで痛い目にたくさんあって、すっかり怖じけづいて、今、とっても、辛い。つらいって、からいって書く。
あたしは、人生が、辛口で、食べることができないで喘いだ。
大人になると、嗜好が変わる、食べたい味も変わった。
理屈抜きに。
喘ぎながら、あたしは、この人生、まずくないかも、とおもった。
人が、楽しそうに、見えるし、しあわせそうに見える。まだ、そんなことばかりに、気を取られてしまう。
あなたのしあわせを、素直に、喜んで、あげられない。ごめんなさい。
今でも、ときどき、つらいよ。
思い出の中で、あの頃と、呼べるくらい、輝いているけど、今のあたしは、それでは、救われない。
あなたは、今も、やさしいひとだろうね。それでも、あたしには、微笑んでさえ、くれないだろう。
いや、むしろ穏便な笑顔で、迎え入れる。
だから、あたしは、あなたを許せない。
あれから、どうしたんだっけ?
あたしは笑って暮らしています。あなたの顔も思い出せなくなっています。
よろこびやかなしみ。ときめきやにくしみが。キラキラと、乱反射します。
違ったんだね。とても長い時間を費やして、そこに、辿り着いた。
引き止めて、悪かったね。あなたも引き止めたよね?なんで?
さようなら。元気でね。二度と、あたしの人生に、関わらないでね。
あたしは、もと夫に、宛てた、いくつかのメールを、読み返した。あたしは、こんなあたしに、なるつもり、まったく、なかったのに。
あたしは彼から、あたしがどういう人間なのか、を学んだ。
あたしは今、ひとりです。あなたは?
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