眠り

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希望は、どこにでも、あったわ。 その人は、フジムラと、名乗り、あたしを助けてくれ、この病院まで、付き添い、この三日間、毎日、様子を見に来てくれていた、らしい。 手に小さな包みを持っていた。お弁当箱だった。 中身は、櫛形に切ったみかんと林檎だった。 母親が、持たせたものである。 フジムラは、果物屋だと、いい、母親は、フルーツパーラーを営んでいる。元気になったら、必ずおいでと、言った。 あたしは、フジムラが帰ったあと、また、眠りにおちた。
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