天才占い師

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お兄ちゃん、はやくはやくー。まったくいつまで寝てるのよ」 重たいまぶたを開けると、妹の香月が頬を膨らましてこちらを睨んでいる。そうだ、そういえば、今日は日曜日か。妹を占いに連れて行く約束をしてたんだ・・・。 「玄関で待ってるから、早く来てよっ」 妹を待たせると、後々うるさいので、早々に着替えを済ませると急いで玄関に向かった。 「おそいよ、お兄ちゃん。まったく、何時間待たせるのよっ」 「何時間って、5分くらいしかたってないだろう」 「もう、言い訳はいいから、早く行くよ。ご飯も、お兄ちゃんのおごりだからね」 まったく、口の減らない妹だ、せっかくの休日を犠牲にして妹の為に時間を裂いている優しい兄貴だというのに。感謝の言葉くらい掛けてほしいものだ。こんな妹が、中学生の美人コンテストで優勝したというのだから、その中学の男性達は、頭がどうにかなってしまったんじゃないかと思ってしまうくらいだ。リアル厨二病に感染しているのではないだろうか。相変わらずの萌え系の衣装を着た妹を連れ、天保山公園にいるという占い師のもとへと向かった。日曜ということもあり、すごい人の密集度だった。 「ほら、あそこあそこっ」
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