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side燐
(なんなのあいつ、あんなの反則だ。)
振り向きざまに少し悪戯な笑顔を向けられた。平凡だと思っていた顔はよく見るとそれなりに整っていて普通の学校なら恋人の1人くらいはできていただろう。
(不覚にもドキッとしたじゃん…)
燐はやたらとうるさい胸に手を当てながら先ほどのことを思い出す。あの鉄仮面をはぎ取ってやりたくて悪意をもって強姦じみたことをしてみたが、相手はそれを気にすることもなくあろう事か重ねたくちびるの間から舌を絡めてきた。
(しかも慣れてるし!うまいし!イラつく。誰だよ…仕込まれたってなんなんだよ…)
彼は確かに仕込まれたと言ったのだ。反応を返したのは条件反射だと。ほわほわとした気分は途端にドロドロとした苛立ちに変わる。
(誰に仕込まれたの?俺の知ってるやつ?それなら…)
「って、何考えてんだろ…俺…」
これではまるで嫉妬しているようではないか。苛立ちを払うようにぐっと拳を握り締めた。
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