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もういつもの日課になりつつあるやりとりを済ませて僕は皆元くんに引きずられながら歩く。その隣には将彦くん。
「おはようございます。将彦くん、今日は眉間のしわ少ないですね。」
「あ?お、おぅ…おめぇこそいつもより機嫌が良さそうだな。」
「えぇ、まぁ、昨日久しぶりにストレス発散ができまして」
皆元くんに気付かれないようにクスクスと笑いながら小声で将彦くんに話しかけると僕に合わせて小声で返してくれた。
「あー!なんで2人でコソコソしてんだよぉ!俺も混ぜろ!!!!」
「あ、皆元くん前を向いて歩かないと転んでしまいますよ?」
ころばねぇよ!と喚きながら不機嫌そうにグイグイと僕の腕を引っ張って歩く速度をあげる。歩くと云うよりほぼ駆け足なんですけど?君より先に僕が転んじゃいますよ?
「あ、ちょ、ほんとに転ん」
足がもつれてよろけてしまう。体制を立て直そうにも皆元くんに腕を捕まれているためそのまま倒れそうになった。横で驚いて支えてくれようと将彦くんが手を伸ばしたのが見えたがその手を遮るようにもう一つの手が僕の身体を支えた。
「とっ!大娯ぉ、景くんよろけちゃってるよぉ。運動神経鈍そうだから気をつけないとぉ」
「燐!おはよう!!!」
ナイスキャッチです猿飛くん。そして僕が倒れそうになったことには気にもくれずニコニコと(まぁ、メガネと髪で顔が半分隠れてますが)嬉しそうに声をあげる皆元くん。
「んー、はよぉ。大丈夫?景くん」
「え?あぁ、はいお陰様で。ありがとうございます。」
なぜか猿飛くんはスッと目線を皆元くんから外すと僕に目を向け心配そうに首を傾げる。てか、将彦くん伸ばした手を引っ込められないまま放心してる。あ、目があったら気まずそうに手を引っ込め目線を外された。
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