1146人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
食堂をでた後まだ少し時間があったので僕は中庭に足を向けた。その後ろをなぜかついてくる影が2つ
「あの…2人とも教室に行ってもいいんですよ…?」
「ん、お前は?」
「景くんサボりぃ?」
「いえ、僕は中庭に」
「じゃぁじゃぁ僕達も中庭にぃ♪」
「って、腕つかんでんじゃねぇ!」
猿飛くんは楽しそうに将彦くんの腕を掴んでぶんぶん振り回していた。二匹の犬がじゃれているようでなぜか微笑ましい。暫くすると第二中庭が見えてくる。いつものように誰もいないのでしんっと静まりかえっていた。木陰でくつろいでいた黒猫が僕を見つけて駆け寄ってきた。あぁ、可愛い。凄く可愛い。しゃがんで首をかいてやると頭を一生懸命グリグリと押しつけてくる。僕が猫に夢中になっていると後ろの方で話し声が聞こえた。
「ねぇねぇまーくん」
「あ?て、待てこらまーくんってなんだ。」
「まさひこだからまーくんだよぉ。わかんないのぉ?あったまわるー。」
「わかんねぇよっ!つか、なんで肩くんでんだよ!離せコラァ!!!」
「まぁ、まぁ、落ち着いて。まーくんってさぁ、あのモジャ頭にフォーリンラブなわけ?」
「は、はぁ??別にそんなんじゃねえよ!大娯は、俺を初めてちゃんと見てくれたやつだ…」
将彦くんは違うと言い顔を真っ赤にしている。僕は猫を抱え上げぼーっと耳を傾けた。
「へぇー。初めて、ねぇ。じゃぁまーくんにとっては大事な大事なお友達ぃって訳ねぇ。」
「んだ、わりぃかよ…」
「ううん、全然!人の価値観って違うしねぇ。でも、気になることがあんだよねぇぼくぅ。」
「チッ、なんだよ。勿体ぶってんじゃねぇ!」
最初のコメントを投稿しよう!