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「木原さん。」
「はいっ!」
背中から声を掛けられたので、すこしビクっとして返事をする悠里。
振り返ると、そこには細身で長身の男が立っていた。
「俺岩田です、宜しくね。」
「あ、宜しくお願いします。」
慌てて立ち上がり頭を下げる。
「しばらく慣れるまでは俺の下についてもらうことになったから。」
「はい!」
「これから色々案内するからついてきて。」
色んな人を紹介されたが、そんなことはそっちのけで悠里は岩田の特徴をとらえようとしていた。
(岩田さんは、清潔感があり女性にもモテそうなタイプだ。
細くておしゃれなネクタイに細身のパンツ。明るめの短髪に顎髭。
極めつけはメガネ。
でも、生真面目なメガネ男子とは正反対で明るくて、キザなこともスマートにやってのけそうな男って感じ。)
そんな分析をしながらもひたすらついて行くと、トイレや給湯室、休憩室や社食など社内を案内してくれた。
「あ、小泉ちゃん!」
岩田が私達の横を通り過ぎようとした、ひとりの女性社員を呼び止めた。
「こちら木原さん。今日からなんだ。女の子同士仲良くしてあげてね!」
「はい!宜しくお願いします。」
岩田の言葉に小泉はニコッととても可愛らしい笑顔で言った。
(小泉さんはすごく可愛らしいけど飾らないナチュラルな感じで、ほどよくサバサバしていて女性からも好かれそうなタイプだ。
何だか仲良くなれそう。)
悠里は直感でそう感じていた。
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