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エレベーターのドアが開く。
｢何赤くなってんの？行くぞ。｣
｢・・・。｣
意地悪だ。
背中を押されてエレベーターを出る。
会社の外に出ると少し距離出来て、離れて歩いた。
もっと近付きたくて、触れたくて、手を伸ばして腕を組んでみる。
｢岩田さんと話したの？｣
無言でいることが恥ずかしくて話を切り出す。
｢ああ。岩田さんに悠里どこにいますかって聞いてわかったんだ。｣
｢そうだったんだ。｣
｢小泉さん、大丈夫だった？｣
｢うん。大丈夫だった。｣
小泉さんの顔が浮かんだ。
｢良かった。｣
｢うん・・・。｣
二人で一緒に帰る。
言葉少なくひたすら歩く。
同じ家に帰るわけでもないけど、ほぼそのようなものだ。
幸せってこういうことなのかな？
隣には愛しい人の横顔。
とても口には出せないけど、今すごく幸せだと思う。
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