本当は

3/33
8658人が本棚に入れています
本棚に追加
/501ページ
「ここ。」 そうが指差す方を見ると、いくつか飲食店が入った小さなビルがあった。 「何料理?」 「何でも材料あればやってくれる。」 「そうなんだ。すごいね!」 地下にあるそのお店は、間接照明でバーのようにお洒落だった。 「ちぃっす。」 「お~っ澤じゃん!ちょうど今日暇だったんだよ。」 店内は誰もいないようだった。 店長らしき男の人が、そうに声をかける。 「今日は2人?もしかして彼女?」 「今日は」っていうことはいつもは大人数で来ているのだろうか? 「あぁ。」 「まじで?宜しく~!」 なぜか握手を求められる。 「斎藤です。宜しく!高校からの友達で。」 「あ、そうなんですね!私木原です。」 「いいなあ~こんな可愛い彼女がいて。」 恥ずかしくて少しうつむく。 「こちらへどうぞ。」 「何でカウンターなんだよ!」 そうが嫌そうに言う。 「いいじゃ~ん!俺一人で寂しいだろ~?」 斎藤さんはハイな人だ。 生き生きとした笑顔が素敵で、がっしりした体系が男らしさを感じさせる。
/501ページ

最初のコメントを投稿しよう!